不動産とは?その定義・超初歩的な知識をわかりやすく解説!

不動産の定義と動産との違い

 

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不動産とは、大陸法系の民事法・国際私法などで用いられる概念です。

 


一言で言えば、土地や、それに付随する定着物のことを指しますが、この考え方では、モノを不動産と動産に分けて考えています。

 


では、なぜ不動産とそれ以外で分類されているかと言うと、1つには歴史的な理由が考えられます。

 


資本経済が発達する前から、不動産は重要な資産と位置付けられていました。

 


日本でも、地域の経済力を石高(こくだか)という、その土地からとれるお米の収穫量で表していました。

 


人が持つ資産の中でも、不動産は別格と古くから認識された結果、このような分類がされたと考えられます。

 


また、不動産は移動することができない、年数の経過に応じて劣化するなど、他のモノと同じ法律を当てはめると合わないケースが多々あります。

 


そのため、性質を見て区別せざるを得ないというのも、分類された理由の一因といえます。

 


土地と建物の関係性は日本と欧米で大きく異なる

 


土地と、その上に建つ建築物の関係性・結び付きをどう解釈するかは、国によって違いがあります。

 


日本の場合、土地と建物はそれぞれ個別の不動産と認識されていますが、登記事項証明書が土地と建物で1冊ずつ用意されているのも、こうした認識のためです。

 


一方で、欧米では、建物はその土地に属すると考えられているため、土地の所有者=建物の所有者という認識になります。

 


日本のような法制度は珍しいので、注意が必要ですね。

 


不動産の定義はどこまで?民法・特別法の解釈

 


では、いったいどこからどこまでが不動産と呼ばれるのでしょうか?

 


多くの人が認識する不動産といえば、以下のようなものになるかと思います。

 


・一戸建て

・マンション

・アパート

・ビル

・土地

・農地

・山林

・店舗

・工場

・倉庫

 


ただ、屋根や壁で遮断された空間の中でも、自動車などは動産に含みます。

 


また、ふすまや畳など不動産の一部は動産と見なされます。

 


その他、立木や特定の不動産関連財団も不動産と見なされています。

 

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不動産とビジネスについて

 


不動産の取引や経営は、世界中で大きなビジネスと認識されています。

 


不動産業は、以下のようなものがあります。

 


・不動産流通:不動産の売買・交換・賃貸に関わる

・不動産管理

ハウスメーカー

 


その他、以下のような資格を取得し、個人で活躍する人もたくさんいます。

 


・宅地建物取引士

不動産鑑定士

司法書士

土地家屋調査士

マンション管理士

管理業務主任者

 


近年では、不動産とITを組み合わせた、「不動産テック」という概念も生まれています。

 


不動産は固定資産なのか?

 


不動産は果たして固定資産なのでしょうか?

 


言葉が似ていて勘違いする方も多いですが、不動産と固定資産はイコールではありません。

 


例えば、オフィスの備え付け設備は、会計上は固定資産ですが、法律上は動産です。

 


逆に、デベロッパーが所有している販売用不動産は、固定資産と見なされないケースもあります。

 


不動産と環境問題について

 


大昔は不動産=地球そのものでしたが、20世紀に建築技術の発展、医療技術の向上、資本主義経済の発達などで、急速に住宅やマンションが建てられ、その弊害として景観悪化や、環境問題が起こりました。

 


昔は問題ないという認識でも、後世になって問題が判明する、土壌汚染やアスベストなどの例もあります。

 


人間は不動産とどう調和していくのかなども、今後考えなければいけない課題といえますね。